新しい絆創膏を考える

 

今日のゼミでは行動観察を行った。

 

今回の行動観察は質的調査(定性調査×潜在)により数値では示せないユーザーの本心やニーズを探り、商品の改善・新たなデザインに繋げるというものだ。

 

今日はこの行動観察を用いて、新しい絆創膏を考える。

利き手が使えないので反対の手を使い、利き手の腕に絆創膏を貼るという一連の流れを観察し

①作業ステップ

②観察事象

③発話

の3つをひたすら書き留めていく作業を行った。

 

〈私の記録〉

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動画も使ったが、記録できたのは8個。デザイナーの方となると20個ほど書けるそうだ。私は大まかな動作を捉えるだけで、ちょっとした仕草を見逃してしまっている。同じグループの子は、"(貼る時に邪魔で)髪の毛をかきあげる"と記録していた。そんな少しの無意識も見逃さないことが行動観察をする上で重要になってくる。関係のないようで、全ての動作が関係あるのだと思った。

 

発話について少し。私もモニターをやったのだがこれが本当に難しい。ただでさえ普段無口だというのに心の中で感じていることを何でも声に出すなんて、、、しかし発話は問題の根底を引き出す手段であるからとにかく喋ってもらわないといけない。観察される側も重要になってくるのか。

 

〈グループのまとめ〉

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3つの記録に加え感情も曲線で可視化し、分析をしていった。

今日のテーマが行動観察ということで、グループ内4人の行動も意識して見ていたが、それぞれ違う動きをしていて面白い。ひたすらポストイットを貼り続ける人、腕を組み無言で見つめてる人、などなど。あらかじめ決めた訳では無いのにグループ内でなんとなくそれぞれの役割が出来上がっていた。その人の持ってる素質からくる行動かもしれないが、最初に行動を始めた人に合わせて、自分ができることを見つけていってるような感じがする。グループとなるとみな空気を読みながら行動をしている。あぁこれが協調性なのかな?と思った。また他人の行動を観察しながら参加することで、状況を俯瞰的に見ることができ、自分の行動に対する反省点も見つかった。

 

ここで本題に戻る。上の図から新しい絆創膏を考える。私達が考えた案は"トースターのように押したら本体が出てくる仕組みのもの"である。f:id:ikumaru251:20190703131726j:image

この案に至った経緯は、まず感情曲線の下がっている部分に焦点を置き、共通しているのが剥がすという作業であったことから剥がさなくて良い絆創膏という発想に繋げた。

 

ここで重要だと言われたのは、最悪なポイントだけを見て考えるのではなく、時間の流れつまり時間幅を意識して考えること。となると私達の案は最悪なポイントに重点を置きすぎている。最悪点に達する前から後までの過程の中に新しいものを作り出すヒントが隠れていると知った上で、自分なりに新しい絆創膏を考えてみる。

 

私が考えたのが"押してスライド、傷部に直接貼るだけ絆創膏"である。箱から取り出し剥がすまでの全ての工程を省き、箱自体を貼るための道具にした。

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絆創膏を使ってみて感じたことは、これゴミがたくさん出て環境に悪いなぁということ。しかしそれはその場で感じたものではなく、客観的に見た上での感想であり、ユーザーの本心やニーズに繋がるものかというと違うと思った。思考発話を基にユーザーに寄り添ったものを第一に考えた上で、環境とのバランスも考えながら1つのものを作るべきだなと。

そこで考慮した要素は感情曲線が1番上がった貼るという行為。ここはユーザーの満足度に繋がっているから大切にしなければならないと思った。貼ることで安心感を覚える人も少なくはないと思う。だったら一瞬頭によぎったスプレータイプではダメだと思った。現在の形を残しつつより使いやすいものはできないかと考えた結果がこの案である。

 

作業の最悪点だけでなく、最良点にも目を向けられたことは良かったかなと思う。しかし時間幅を考えられたかというと"?"となる。そもそも時間の流れから考えるとはどういうことなのかまだいまいち理解できていない。

 

これからは授業だけでなく常日頃から観察することを癖づけ、結果からモノやことの改善に繋げる思考力を身につけていきたい。経験を積むことで時間幅を意識して考えるということをしっかりと理解し、質の良い行動観察ができるようにしよう。

 

 

 

帰り、絆創膏をほとんど使ったことがないので欲しくて先生から1枚貰った。帰ってまじまじと見たり、性質を調べたりしたけどいや、絆創膏ってすごいなぁ!!!

 

普段当たり前のように使ってるモノも、デザイナーさんが考え抜いて作った作品だと考えると、なんだか日常が楽しくなってきた。